3/5(金)
経済のことや、政治のことは良く分からない。
(そうも言ってられない年になってしまったが(苦笑))
ただ、今、現在の世界が良い方向に向かっているのか、
それとも悪い方向なのか、それはなんとなく
良くないと感じてしまう。

さて、そこでサッカーの話。
世界的に見ても、今、曲がり角に来ているサッカーというスポーツ。
商業主義にスポーツが毒されていくのは、ロス五輪から。
サッカーにそれがはびこったのは、アメリカW杯だろうか。
ボスマン裁定により、さらに富の一極集中は高まり、
一部の選手がとんでもない額を稼ぎ、
ほとんどのクラブは自転車操業を余儀なくされ、
つぶれるクラブもちらほら、まさにバブルまっさかりに見える。

日本にも一時期バブルが押し寄せた。
93年のJ開幕。
チケットは末席でも5000円を超え、
どこもかしこもJをつけときゃ良いと思ってたころ。
読売の選手などは2億も3億も貰ってた。

でも、景気は悪くなり、バブルははじけました。
横浜Fはチームごと無くなり、どこのグラウンドも空席ばかり。
たまのタイトル戦ぐらいしか埋まらない。
そんな状態になってしまった。

けれど、日本代表の頑張りやW杯地元開催のおかげもあり、
そしてなによりも、収支を考えたチーム経営を心がけた結果、
年棒の高騰もおさまり、今、日本のサッカーは、良い状態にあると思う。

代表は相変わらず、叩かれている。
オフトのころ、加茂&岡田のころ、トルシエのころだってそうだった。
今の代表が最高かといえば、そうではないだろう。
今の監督の選手選考、采配には疑問符もつくし、
選手のモチベーションもばらばらだ。
彼の功績に感謝を忘れてはいけないが、
だからといって無条件で全てを許して言い訳ではない。

それでも、彼らの1歩目は勝利だった。
内容ではなく結果を求めてきたのは国民だ。
ブラジルなら買っても不満が沸くのは分かる。
94年、優勝してもつまらない試合だったと言われるのだから。
だが、日本はどんなに良い試合をしても勝たなきゃ忘れてしまう国民だ。
だから、這ってでもW杯にでなければならない。
それをいまのところ、遂行している監督の解任論は、感情的だとしか思えない。
(無論、あの試合は最初のメンバー選考から、試合内容、展開、すべてにおいて、
 満足には程遠い試合だったけれども、である。)

翻って見るに、五輪代表の方は、さしたる期待も無い中で、
徐々に調子を上げ、注目を集め、さらにあざといマスコミのせいもあって
いまや大注目の存在となった。(個人的にはあまりこういう展開は好きじゃないが)
監督の評価もうなぎのぼり、チームの状態も見ていても、万全だった。
しかし、初戦に引き分けた。今日UAEに負ければ非難轟々だろう。
彼らが心配なのだ。いつもそう、だめならすぐに見放す国民。

オリンピックも決まったかのような論調。メダルへの期待。
そして、つぎはW杯でベスト8だなんて声を聞くと、不安になる。
予選敗退でもしたら、この国のサッカーはどうなってしまうんだろうって。

何の実績も無かったこの国が、W杯二回目にして予選を抜けたのは幸運だった。
それを忘れてはいけない。
思い上がってはいけない。
マスコミは囃し立て、毎日、英雄を祭り上げ、落とす。
煽って、期待を高め、だめならさっさと見捨ててしまう。

願わくば、彼らがマスコミや国民の期待に答えてくれるといい。
それが適わなくても、ちゃんとゆっくりでも歩みを止めなければ良い。
そう思っている。

乗せられないでいたい。
ちゃんと、この国のサッカーを見ていきたい。
いいときも、だめなときも。
そんなことを考える今日このごろです。

がんばれー!日本イレブン!そして田中達也