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オマーン戦寸評

アンチジーコの評論家の方々は、試合をどう見たのだろう。
選手が頑張ったとか、交代が遅いとかいうのかな。

ともかく、日本は第一関門を突破した。
一時予選の苦しさに気が付くのが、遅かったことが、
ジーコへの理解を阻んだのかもしれない。
それでも、信じた甲斐のある良い試合だった。

前半、息もつかせぬハイペースマッチ。
相手の力は間違いなく上がっていて、
オマーンの強さを改めて感じる序盤。
じりじりと劣勢を耐えしのぐ展開。

小野、加持あたりが中盤で突っかけていき
かわされるシーンが、多少気になったりもしたものの、
決定的になる、その少し前でなんとか防いでいた。
前線の二人の献身的な守備も光る。

前半終わりごろには、ようやく中盤で落ち着きが出てきて、
後半に期待が持てる終わり方が出来ていた。

後半早々、中村が前線に絡みだす。
明らかに相手の動きが鈍りだした時間を見逃さないあたり、
成長を強く感じる。

そして、中村が左から崩したセンタリングに鈴木!
決して易しいシュートではなかった。
しかし、高く強く、なにより気持ちのこもったヘディングは、
あのベルギー戦を彷彿とさせる、心に刺さるゴール。
前半から前線からのチェイシングが献身的であり、
相手DFから幾度もボールを奪うシーンを見せていた。
それに加えて、ボールキープからファウルを貰う場面も、
いつにも増して見せており、なんとなく期待していたのだが、
ここ一番で決めてくれたことは、本当に嬉しい。
(高原だっていい動きをしていた。
2本決定的なシュートを打ったが相手GKが巧かった。)

もう一つの決定的な場面は守備の場面。
点を取った、直後の時間帯だった。
相手のロビングに敵FW、川口、宮本が交錯。
こともあろうに相手FWの前にボールは転がり、
無人のゴールにFWが蹴りこむ。
ここで、田中誠。奇跡としか言い様が無いブロック。
中澤がこぼれだまを蹴りだし、ファインセーブ!!!

ここで、私は日本の勝ちを(というか予選突破を)確信した。
神様ジーコには運がある。
そう言ってしまっては、失礼かもしれない。
もちろんそれだけではないことは重々承知のうえで、
けれど、指導者としてのキャリアの無さを跳ね返し、
代表監督として、乗り越えた数々の場面を思い返すと、
やっぱり、彼には運がある、そう思える。

その後は、通訳の退場などのハプニングもあったものの、
ほとんど危なげなく試合を終えた。
オマーンは強く、早く、危険なチームだった。
レギュレーションを含めると、本当に困難な予選だった。
(韓国は辛くも首位キープだが、イラクは敗退決定だし、中国も2位転落だ。)

そこを乗り切ってくれたジーコと選手たちに、
本当に感謝したい。


あとは、選手寸評。

川口 唯一の危険なシーンは恐かったが、あとはほぼ安心してみていられた。
中澤 制空権は彼が支配。ことごとく跳ね返す姿は頼もしいの一言に尽きる。
田中 あのブロックがなければ、あるいは危なかったか。加持とのコンビで相手左を防いだ。
宮本 高さが無いという欠点を頭脳でカバー。セーフティーファーストの守備は安心できた。カバーリングも見事。
福西 守備。攻撃参加。体の強さ。左の田中、加持とのバランス。ほぼ及第点。時折の攻めも光ってた。
小野 ボールキープの安定感は抜群。序盤守備にてこずってたが、後半は攻撃に守りに大活躍。
中村 MVP。あの一瞬の攻撃参加は見事。FKは調子悪かったけど。小野と中村がボールを取られないのが大きかった。
加持 今日は良かった。もっと仕掛けても、と思うシーンもあったけど、守備は良い。全体的に安全第一だったことも今日は良かった。
サントス チームがアクシデントに動じずにいられたことでも、彼の存在は大きい。無論プレーも良かった。守備も上々。
高原 二度の好機を逃したことは悔やまれるか。ただ、小野とのコンビは魅せてくれた。守備、ボールキープ、彼の仕事も多大だった。
鈴木 いつにも増して献身的なプレー。そして、あの決勝点。彼のよさは十二分に出していた。彼の採点は100点でしょう。
玉田 時間がね、無かったからね、コメント無しで。でも、あの11人のバランスを変えなかったことは、むしろ良かったと思う。(ジーコ評だな)


ドイツへ行こう。ジーコと行こう。
ありがとう、神様!!