世界との差。変化、成長、希望。でも、悔しい。
VSブラジル
注目の一戦。
日本は対ギリシャと同じく4−4−2
対する、ブラジルはバックラインを取り替えて来たが、
前線は、アドリアーノ、カカ、ロナウジーニョ、ロビーニョの
新カルテット。
うわさでは、ロナウジーニョが、ジーコを相手に手を抜くのは失礼だと直談判したらしい。
DFはもともとカフー、ロベカルは欠いてるわけだし。GKジータが居ないくらいのもの。
まあ、ほぼ全力と思っていい。
どきどきと、わくわくと、入り混じった感情のなか、
試合開始。
早々に日本がチャンスを作る。
またも小笠原→加持のコンビネーションで、ブラジルのゴールネットを揺らす!
加持のシュートは精度が日に日に増していくんだが、、、
残念ながらオフサイドの判定。
微妙だが、俺の目にもオフサイドに見えた。
その後、返す刀でブラジルの猛攻。
加持のボールをカットしたロナウジーニョが鬼のような速攻。
一気にペナルティーエリア近くまで駆け上がる。
その裏を回ったロビーニョへのスルーパスを流し込まれて失点。
さすがにあれは止まらない。
ブラジルの力は華麗なパス回しだけではない。
速攻に入ったときの逡巡のない速さと、
フリーランニングで裏に回る、その基本を怠らない忠実さ。
まさに教科書どおり、背筋が凍るカウンターだった。
そこからはしばらくブラジルの時間。
メキシコ戦でもあった、DFとMFの間の空間をつかれ、
時間を作られると、
そこから、ブラジル両サイドバックが駆け上がる。
シシーニョ、レオの両SDFは代役なれど、いい選手だった。
こちらも献身的に上がりを惜しまない。
カカのシュートがポストをかすめ、
ロナウジーニョがフォローしたワンツーのときには、
勝ち目はないのかと、絶望的にすらなった。
ここで、日本を蘇らせたのはセットプレー。
小笠原のFKから柳沢のヘッドは惜しくもクロスバーだったが、
これで流れがやや日本へと。
ようやく落ち着いてくると、浅めの位置でとったFKを中田がすばやく福西へ。
それを中村へとはたくと、中村はFKのようなモーションでミドルシュート!
無回転気味のボールは見事にゴール左上に吸い込まれ同点に!
鳥肌もの、最上級のミドルシュート。見事としか良いようが無いシュートだった。
だが、この流れを維持できない。
日本は3対3のピンチでカカ、ロビーニョと繋がれエリア進入を許すと、
マイナス気味の折り返しをロナウジーニョにあわせられる。
サントスの反応が遅かった感は確かにあるのだが、
あそこでパスは反応しきれないだろうなあ、ロナウジーニョがあすこに走りこんでくる、
それを感じていないと出せないパスだった。
川口が手に当てただけに、悔しい失点。
時間的にも痛恨と言っていい失点だった。
その後はブラジルが時間を使って攻め、前半が終わる。
後半、開始。中田を上げるため、中田浩二が小笠原に変えられ、
前半、勝負できてなかった玉田が大黒とチェンジ。
ジーコ、今日もやる気である。
采配はすぐに効果をあらわす。
開始早々、中村とのコンビで裏に抜けた大黒が柳沢へパス。
これはGKにとめられるも、惜しいシーンだった。
しかし、ここから危惧していたとおり、ブラジルが時間を支配しだす。
10分過ぎから、立て続けにブラジルの猛攻。
川口以下DF陣が何とかしのぐも、この20分間は日本はノーチャンス。
何か手を打たないと、そう思っていたら、鈴木を投入した。
この交代は戦術というよりも、気持ちの問題だろうと思った。
ここから、やや日本も盛り返す。
福西の惜しいミドルや、中村の折り返しなどがあったが、
点にはならず、残り5分を切る。
後半43分。中田が貰った絶好の位置からのFK。
シュートはおしくもポストを叩くが、これをつめたのが大黒!
相手GKをはじき突き刺して同点。
残り時間わずかななか、相手も執拗に時間を稼ぎ出す。
そんななか、ロスタイム最後のチャンスが!
サントスの切り込みから、開いた福西が高いセンタリング。
それにあわせるのは、またしても大黒!
しかし、フリーで放ったヘディングはGK正面を突き、
これで万事休す。
2−2の同点、得失点差でのグループリーグ敗退。
2年前に続き、善戦むなしくという結果になった。
惜しかった。たらればを言えばきりがない。
一戦目に引き分けていれば、二戦目もっと点をとっていたら、
三戦目、二失点目が痛かった、二点目とりにいくのが遅かった、etc、etc。
成長を見せたのも確か。
特に加持の成長は著しく、覚醒したといっても過言ではないほど。
中田も初戦を除けばバランスは最高だった。
中村は二戦目、三戦目はキレにキレていた。
4バックも、もうネガティブに捕らえられることもないだろう。
だけど、結果は予選リーグ敗退。
これは現実。
世界と近づいた、善戦した、それだけではもはや満足できない、
そんなところまで、我々はきてしまったのだろう。
光は見えた。希望は大きくなった。
一年後、彼らとともに戦うために、
俺も万難を排することにしよう。
まだ、冒険は道半ば。
きっと困難はたくさん待ち受ける。
これは挑戦のほんの一歩目。
一年後が楽しみだ。