試合展開

灼熱のカイザー。
試合はというと、暑さのためか両者ともミスが目立つ。
近々の試合を見ていなかったこともあるのだが、田中がいないにもかかわらず、3−5−1を選択したジーコに若干の戸惑いを覚えた。

オーストラリアは開始からいきなりビドゥカを中心に分厚い攻めを見せる。
最初のチャンスは決定的だったが、川口が当たっており何とか凌ぐ。
日本はというと、細かいパスワークでミスがあるものの、駒野、サントスの両翼の上がりはまずまず、FWの動きも悪くは無い。
ただ中盤、中村の動きに若干切れが無く、相手に引っかかるのが気になった。

しかし、前半も中頃、中村のセンタリングに、流石にそれはファールでは?と思う両FWのキーパーチャージ気味のアタックが入りそのままゴールインで日本先制。
まあ、形は悪いけど、良いのさ勝てばって感じでスタジアムも盛り上がる!

前半はそれ以降もどちらかというとオーストラリアの方がチャンスがあったが、川口が当たりに当たっており1−0で終了。

後半、10分も過ぎたあたりでいきなり坪井が負傷退場。
代わりに茂庭が入る。うーん、彼にとっては幸運な出場だが、この交代は痛かった。

逆にオーストラリアはがんがんとFWを入れてくる。後半30分までに3人の交代を使い切ったヒディング、もちろん全部がFW。
しかし、川口を中心になんとかなんとか凌ぎきって、アロイージの交代直後には、高原と柳沢でビッグチャンスを作ったのだが、パスが合わずヘナチョコシュートという、なんとも情けない形でチャンスを潰す。

こういうことをしていると、往々にして勝利の女神には嫌われるもの。
柳沢に代えて、小野を投入し、3−6−1で逃げ切りを図るなんて、もってのほかではあるが、ここはもう信じるしかない。


しかし、物語の結末は残酷、というより他無かった。
残り10分を切り、直接FKを川口がスーパーセーブで止めたまでは良かった。
だが、その直後のロングスロー、川口が飛び出したが触れず、そのこぼれ球がケーヒルの目の前に。

日本人の悲鳴とOGの歓声とともにゴールに吸い込まれた瞬間をきっと俺は忘れられないだろう。

その後は正直良く覚えていない。
動かないジーコにイライラしたこと。
その数分後、神がかり的なミドルを決められ、日本イレブンの気持ちが切れてしまったこと。
(サポーターとてそうだ。)
大黒の投入が失点後で時間など無かったこと。
そして、最後に屈辱的な3点目を決められたこと。
試合後、大歓声と歌声に包まれるスタジアムを苦々しい思いで立ち去ったこと。

すべてが靄に包まれていて、記憶があやふやだ。

ただ放心状態のまま、枯れはてた声のまま、キャンプまで帰ったのだろう。
本当に悔しい一日だ。
采配がきっととやかくいわれるだろう。ジーコ派の俺でも流石にちょっとなって思ったもんな。